……だいぶ省略してしまいましたが、こんなふうにお客さまを歓待しながら奴隷生活を送りました。階段のポールにボンデージされて放置されたり、催しがあるときは舞台の上で過激なことをしたりされたりと重労働だったり、ヘマをしてお客さまに嫌われてしまったり、楽ではありません。でも、お客さまと快楽の趣味が合ったり、気に入ってもらえれば遊びに連れていってもらったり……ドバイ旅行しました……と、楽しいこともありました。奴隷と言えど、うまく立ち廻れば結構いい生活ができます。

 慣れてしまえば天使の家の生活とさほど変わらない、いえ、家ほど単調でもなくまだ楽しみがありました。……しかし、年月が経つと慣れすぎてしまいました。

 奴隷のクセに、とお叱りの声が飛んできそうですが……だんだん、慰安してくれる少女たちや鞭打ちに爆発的な喜びを感じなくなってきたのです。つまり、飽きてしまいました。私は元々快楽主義の性質があったのか、自分の快楽が薄れてしまった途端、最初のうちは緊張しつつ丁寧にやっていた仕事もなんだか流れ作業のように感じて、振るわなくなってしまいました。想像力も落ちて、小さな快楽があっても妄想で倍加することができません。

 刺激を求めて、仕事でもないのにリンボにおりてみたりしました。どことなく見覚えがあるようなないような奴隷たち……両脚を切り落とされた例の彼女は、いつの間にかいなくなっていました……を見ても、ドキドキはしますが前ほどではありません。これなら、怖がらないで遊んでおけばよかったと後悔しました。ふと、手ひどく裏切られ、両脚をなくした例の彼女を抱いて、その悲惨さをもっと生々しく感じてみればよかったとも。

 ……涸れている私に気づいてくださったのか、私が十八になる月に旦那さまがあるプレゼントをしてくださいました。ところで、私は長いこと恋をしていません。小夜子に対する恋心はとうに忘れ、悲しみで夜眠れないなどということも気づいたらなくなっていました。奴隷の少女たちは慰安してくれるとき以外はお客さまのお相手で忙しく、そこまで関わることがないのと、性的に奔放すぎる少女たちに恋心まで抱くことはありませんでした。……旦那さまはそんな私に恋をプレゼントしてくださったのです。そしてその恋は、私の引退のきっかけになりました。次回から、このプレゼントについて語ります」



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